にきび・吹き出物

■ にきび・吹き出物の漢方治療

 中医理論では,五臓で言う「脾(胃腸)」、「肺」、「肝」の機能異常が主な原因と考えます。つまり,「胃熱(いねつ)、肺熱(はいねつ)、肝胆湿熱(かんたんしつねつ)、肝鬱火化(かんうつかか)」などの病症と関わっています。また,「風熱(ふうねつ)、便秘(べんぴ)」などの病症とも関連性があり,これらは本病を悪化させる要因にもなります。

 女性の場合は月経と深く関わる場合もあり,月経が近づくと体調変化の影響により,にきびが増えたり悪化したりすることがあります。

 「にきび・吹き出物」ができやすい人は,飲食の習慣に改善すべき点があります。
 日頃は便秘しないよう心掛け、脂っこい食品、チョコレート菓子、ピーナッツ、コーヒー、チーズ、バター、アルコール飲料、トウガラシ料理などの過食や過飲を避けることです。
 満腹状態が続くと「胃熱」が生じやすくなりますので,腹八分目(肥満で胃拡張の傾向がある場合は腹七分目)で済ませることも大切です。
 このように「にきび・吹き出物」では,炎症は皮膚面に現れますが,その原因は体内に存在しますので,根本治療としては体内に潜んでいるこれらの原因を取り除かなければなりません。
 残念ながら,好きなものを好きなだけ食べつつ「にきび・吹き出物」を消し去ることはできません。

 現代医学では,直接の原因は“ニキビダニ”または“顔ダニ”と呼ばれる常在微生物によるものとされています。腸内細菌と同様に,洗浄してもまた現れては増殖します。洗浄を繰り返す内に大切な皮脂が損なわれ,同時に免疫が低下して感染症を患いやすくなったり,乾燥による肌荒れやクレンジングの摩擦による皮膚炎などが生じることも多くなります。衛生的に保つこと(※)はある程度必要ですが,程々にしましょう。
(※)私が中国で留学生活を送っている際('94頃)に都市郊外の農村に出かけたことがあります。なかなか衛生的とは言えない環境でしたが,そこに住む方々は多少日焼けはしているものの皮膚の状態はとても良かった記憶があります。決して裕福な生活ぶりは感じられなかったので,栄養豊富なものを毎日お腹一杯に食べるようなこともされていなかったでしょう。

 これら皮膚の外側に棲む微生物は,皮膚の状態が良い内は暴れずに大人しくしているようです。皮膚の状態をコントロールしているのは主に身体の内側ですので,やはり内側を安定させることが何よりも大切と考えます。

 本ページは「皮膚病」中の記事とほぼ同じ内容です。その他の皮膚病についても述べておりますので併せてご覧ください。

更新:2023/07/27


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