過敏性腸症候群

■ 過敏性腸症候群の漢方治療

 この病症は一般に強い精神的緊張におそわれた時などに発生する「突発性の下痢症状」のことです。食あたりなどによって発する下痢とは異なり,胃腸そのものには異常な検査所見は見あたらず,ただ下痢症状が突然に発生するというものです。いつどこでも発するため,気楽に家族や友人と旅行もできず,また自由に車を止めることのできない高速道路や電車の中、緊張するような会議や人との面会などは,それがストレスとなって“また下痢を起こすのではないか?!”という不安感につねに襲われ,非常に辛く苦しい思いをすることになります。もちろん,この症状が長引きますと,胃潰瘍、十二指腸潰瘍、胃ガン、肝炎などを起こすことにもなりますし,それによって免疫力が極度に低下し,果ては胃がんや腸がんに至るという可能性も出てきましょう。過敏性腸症候群は近年非常に多く見られ,しかも増加の傾向にあるといわれています。一般に神経質な人で精神的ストレスの影響を強く受けて体調を乱しやすい人に現れやすい傾向があります。漢方医学的にはこの種の病症は“肝臓と胃腸との間の機能面の調和が乱れる”ことによって発生すると考えられています。“自律神経失調症”の一種と考えて良いでしょう。例えば,精神的ストレスを強く受けますと,肝臓の働きが伸び伸びと機能することができなくなり(この病症のことを“肝うつ証”と呼んでいます),その影響が胃腸の消化吸収の機能に及んで,胃腸の働きを停滞させ,腸管からの水分の吸収ができなくなって溜まった水分がそのまま下痢という形で出てしまうというものです。この胃腸の病症のことを“肝脾不和証(かんぴふわしょう)”と呼んでいます。ですから,過敏性腸症候群は単なる胃腸だけの病症ではなく,肝機能異常も関与した複雑な病症と捉える必要があるのです。また,この時は一般に下痢症状だけでなく,胃腸内にガスが溜まりやすくなり,ガス出ると一時的には楽になりますが,ガスが出ずに胃腸内に溜まったままになりますと腹痛も発するようになります。“脾胃気滞証”とは即ち“胃腸内に気体(ガス)が溜まる病症のこと”でして,下痢と共に胃腸内にガスが溜まることによって腹部膨満感や腹痛を発するようになります。この病症に対して,西洋医学では下痢止めの薬を服用しますが,この方法は単なる“対症療法”にすぎず,根本的な治療とはほど遠いものといえましょう。しかし,漢方医学ではこの病症に対する治療法がすでに確立しており,治療法は多角的で効果も西洋医学による治療よりはるかに優れたものになっています。

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